第八十三章 本棚と本

ゾロは文献庫の人気のない一角に来た。

今この時、彼は本を抜き出しては戻し、手で本棚に触れたが、何も起こらなかった。

「そうだ、ここ数日私も何度も来た。異常があればとっくに現れたはずだ」

ゾロは改めてあの時に異常を感じた光景を思い出した。

あの時、自分はハン・ミンシアオのペンダントを握っていた。後になってようやく、あの本物そっくりのものが念力で作られたものだと知ったのだ。

あの時自分は思った。ハン・ミンシアオという者は、おそらく自分が何を探しているか知っているのだろう、と。

もし木榴のペンダントが、自分があの本棚を見つける契機となったのだとしたら、それはあまりに出来過ぎている。

「どこが違う?」

ゾロの思考は乱れていた。彼は答えに触れそうで、しかしいつもあと一歩届かないように感じた。

だとすれば念能力のトリガーなのか?

念能力の面では、今のところ自分の知る限り、「心霊具現の権」より高い存在はない。

彼は深く息を吸い込み、胸の前に銀色の円環が現れた。

[我、渺小なる三角形、偉大なる心霊具現の権と交信を始める]

三角形がゆっくりと回転した。

ゾロは何冊か本を手に取り、手を本棚の列の上に滑らせたが、何も起こらなかった。

「私の推測は間違っていたのか」

ゾロはあまり整っていない眉をひそめた。

彼の内心に衝動が生まれた。自分は間違っていない。彼は今自分のしていることが完全に正しいと強く信じ、しかもこれは束の間のチャンスなのだ。

何しろ魔英殿はもうすぐ完成する。その時には能力も回収されてしまう。

「一体どこが問題なんだ」

ゾロの瞳は思索の光をきらめかせた。

彼はハン・ミンシアオの顔、彼の話す内容、彼の動作を思い出した…彼は自分を問い詰め、彼はペンダントを差し出した…

自分はそれを断り、強い疑念を抱いた。その後自分は組長にハン・ミンシアオの身分について尋ね始めた。

どうやらその時、手にした本に一筋の異変が現れたようだった。

広々とした文献庫は、静寂で落ち着いていた。ゾロは高い本棚のそばに立ち尽くし仰ぎ見た。古い本棚の群れは語らず、ただ黙ってそびえ立ち、磐石のように人の往来をじっと見つめ、静けさと賑わいを見ていた。

「あの時は組長に尋ねていた。ということは、人と心霊接続をしなければならないのか」ゾロは低く呟いた。

彼はもう一度試してみることにした。

[俺はヤン・ズーチャンと交信したい]

胸の前の折線は驚くほどの速さで消えていき、すぐにヤン・ズーチャンが応答した。

{あれ?また文献庫に行ったのか。付け焼き刃か?}

[ふん、実験をしているんだ。人との交信が必要でね]

{どんな実験だ}

ゾロは手にした本を握りしめ、眉をひそめた。

[失敗かもしれない。「心霊具現」の能力があれば、もっと深く本を読めるかと思ったんだが]

向こうのヤン・ズーチャンはすぐにゾロの意味を理解した。確かに、こいつは今のところ自分たちが触れられる最も強力な「宝物」であり、それには具体的な形態さえなかった。

ゾロは期待した異常がないことを感じ取った後、考え直した。まさか「心霊具現の権」の力があまりに強く、階位があまりに高いために、かえって本来起きるはずの「意外」が起きなくなってしまったのか?

{君の考えは独特だな。なぜそんなに多くの条件を発動させるんだ。本に触れ、能力を発動し、人と交流するとは。まさかどこかで変な召喚手順でも見たのか?}

ヤン・ズーチャンが言った。ゾロはうなずき、声を潜めて説明した。

[私の錯覚かもしれない。以前、誰かと交信していた時、ここのある本に異常な反応が現れたんだ]

向こうのヤン・ズーチャンは重々しく考え込み、ためらいがちに言った。

{ということは、君はそれらと交信したいのか?}

交信…!

ゾロは刹那、雷電に打たれたかのようだった。

彼はしばし呆然とした後、軽く息を吐き出した。

[よし、ヤン・ズーチャン。もし私の実験が成功したら、君にも一緒に責任を負ってもらうぞ]

接続が切れた。

ゾロは瞬時にやる気に満ち溢れた。

彼の胸の前の折線が明滅しながら縮み戻ったが、三角形はまだ胸の前の光環の中で回転していた。

ゾロはそれを現れたままに保ち、手にした地理データの表紙を見つめた。『鑽海紀150-200年、WN009区域、地理位置詳録031』

[我、渺小なる三角形、続いて心霊具現の権を運用する]

折線はまるで目標を見つけられないかのように、光環のところで明滅した。

[我は『鑽海紀150-200年、WN009区域、地理位置詳録031』と交信したい]

ゾロが苦労して駆動するにつれ、突然光環の中から一道の精粋な力が迸り、折線たちに油を差したかのようにそれらを射出し、手にした書物の中に飛び込ませた!

ゾロは瞬間、一陣の痺れを感じた!

一筋の晦冥悠遠で、不快にさせる気配が心の間に立ち込めた。しかしそれはすぐに制圧された。

心霊具現の権の前では、この気配はまったくいかなる異動も敢えてしなかった。

{アスダド…スカランドル…}

理解できない言語だった。しかも相手には何の霊念もなかった。これらの声はただ言葉にできないある漠とした意志の反響に過ぎなかった。

成功したのか?!

ゾロは喜びを押し殺した。

もう何度か試した後、彼は交信の進展しない本を本棚に戻した。

そして、男の視線はこれらの本棚に向けられた。

「模型、時序戦器、怪物になる人造物…そうだ、交信だ。模型の交信はただ人間だけに限らない」

彼の手は本棚に触れ、胸の前の円環が回転し、心の中で緊張してこの考えを確認した。

[我は本棚と交信したい]

応答はなかった。

「うん?」ゾロは緊張して何の動きもない本棚をちらりと見て、それから数歩歩き、別の本棚に替えた。

[我は本棚と交信したい]

やはり応答はなかった。

「そんなはずはない。お前は一体…」

ゾロは一列に並ぶ高大な造物を見つめ、考えた末、深く息を吸い込んで目を閉じた。

心の中で試すように黙念した。

[我は文献部の、現れていない、余分な本棚と交信したい]

この考えが生まれるとともに、男は周囲の気配が変わったのを感じた。

[心霊具現の権、我の請求に応答せり]

ゾロは目を見開いて頭を上げた。

周囲の図書館はいつの間にか一望無限になっていた。しかし広い本棚たちはすべて消えていた。

前方にはただ一基の大門のような黒い本棚だけが聳え立ち、孤独に、図書館から延びた広々とした天地の真ん中に立っていた。

その縁にはかすかな金色の紋路があしらわれ、簡潔でありながら気品を失っていなかった。

まばたきする間に、本棚はゾロの目の前に現れた。

男は思わず一歩退き、足音は空っぽのこだまを響かせた。

「デデデ〜」

空っぽの本棚の上で数冊の本が跳び出し、それらの背表紙にはこう書かれていた。

『お前』『私を』『探して』『何を』『したい』。

ゾロは唾を飲み込み、緊張して言った。

「私は、第三枢紐鎮に入るための切符の制作方法を手に入れたい」

それらの本はサッと引っ込んで消え、次の瞬間にはまた一冊一冊の本がパラパラと飛び出してきて、立てて上に並んだ。

『お前の』『精神は』『十分に』『純粋だ』。

『しかし』『請求は』『達成』『できぬ』。

「これは…お尋ねしますが、なぜでしょうか?」

ゾロは拳を握りしめてそれを直視した。

すべての本が後ろに一縮みして消え、また素早く跳んで現れた。

『方法は』『漏洩』『できぬ』。『ただし』『私の』『一つの』『質問に』『答えれば』『別だ』。

「どうぞお尋ねください」

ゾロは周囲から足音が近づいてくるかのように感じ、また時計がカチカチと音を立てているかのようだった。

どうか早くしてくれ!

空っぽの本棚にはなかなか新しい本が現れなかった。ゾロが緊張して、まさか自分がとちったのかと考え始めた時、本棚に一冊の本が増えていた。

『世界は』

一呼吸置いて、それにぴったり寄り添ってもう一冊の本が飛び出した。

『果てがあるか?』

「……」

ゾロは全身に冷や汗が流れるのを感じた。

これはどう答えればいい?

相手はまるで、終極の問題を深く考えること無数の歳月を経た智者が、ふと自分の部屋に迷い込んだ小童に気まぐれに問いかけるかのようだった。

自分はどう答えれば、あまりに無様に追い出されずに済むのか?

どうする。ようやくチャンスを掴んでこの本棚に会えたのに、失敗して去るのか!

数秒後、ゾロは緊張して唇を噛み、本棚を見つめた。

相手は自分の緊張を知っているかのように、下の段に新しい本が現れた。

『ある』『それとも』『ない』。

ふう…

ゾロの緊張は突然和らいだ。彼は乾いた唇と舌を動かした。

「私には、わかりません」

双方はしばし沈黙し、本はゆっくりと引っ込み再び現れた。

『ある』『と』『ない』『の』『間に』。

本は「サッ」と引っ込んだ。

『お前は』『新しい可能』を『選んだ』。『それもまた』『最も誠実な』『内心の』『赤裸々な告白だ』。

「新しい可能」が一陣のかすかな金色の光を放った。

パラパラパラ。

すべての本が引っ込み再び瞬時に現れた。

『お前は』『一回分を』『無駄にしたが』、『我の』『統計』『の固定を』。

本が、消え、再び現れた。

『しかし』『これは』『お前にだけ』『属する』『標準答案だ』。

ゾロは少し困惑した。自分が統計を無駄にした?標準答案、自分だけに属する…これはたとえ自分がこの答えを外に伝えても、次の人は成功できないという意味か。それならば…!

前の四冊の本がまた「サッ」と背板の深い黒の中に引っ込み、まるで虚無の宇宙のようだった。

ゾロは緊張しつつ期待して顔を上げて注視した。

まだ最後の一冊の本が本棚の上にある。

その背表紙の金色の四文字には、幾重もの幻影の金光が走っていた。

ゾロは息を凝らして数秒待った。何の動きもないのを確認すると、彼は手を伸ばしてこの唯一の本を取り下ろした——『標準答案』。

開いてみると、扉頁の文字が目に飛び込んできた。

——001頁、目次。

——003頁、亜エーテル隧道失念エンジンの制作法。

——048頁、暗金枢紐鎮晦影界座標。

——050頁、類暗金枢紐鎮念力場の構築方法。

——100頁、諫言。

これだ!

ついに、ついに手に入れた!

ゾロは愛おしむようにこの暗い皮に金字の柔らかな書冊を撫でた。中には非常に貴重な資料があったが、彼はやはり好奇心からまず「諫言」と書かれたページをめくった。

そこにはたった一行の文字しかなかった。

——文字は歴史の篆刀、歴史は文字の血脈。

これは何の諫言だ。彼は精神幻境に騙されるなというような戒めかと思っていたのに。

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